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✅令和7年度の税制改正により、所得税における「基礎控除」「給与所得控除」の見直しが行われました。
また、新たに「特定親族特別控除」が創設されるなど、大きな変更が加わっています。
これらの改正は、令和7年(2025年)12月1日から施行され、
令和7年分以後の所得税に適用されるため、
令和7年12月以降の年末調整や源泉徴収業務にも影響が出る点に注意が必要です。
🔸 令和7年11月までの給与計算・源泉徴収には影響はありません。
本記事では、この改正内容のうち「基礎控除」について、
最新の制度に基づいてわかりやすく解説し、自動計算ツールもご用意しています。
基礎控除は、確定申告や年末調整で所得税額を計算する際に、すべての納税者が受けられる代表的な控除のひとつです。
収入がある人は、自動的にこの金額分を差し引いたうえで課税されるため、実際に税金がかかる所得は少なくなる仕組みになっています。
✅ 【令和2年分〜令和6年】基礎控除額
納税者本人の**合計所得金額(収入から必要経費などを引いた金額)**に応じて、基礎控除額は次のように決まります。
合計所得金額 | 控除額 |
---|---|
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超~2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超~2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円(控除対象外) |
※これは令和2年分からの制度です。
✅【2025年〜段階的に変更予定】基礎控除の新たな見直し
令和7年以降、基礎控除の最低額が48万円 → 58万円へ引き上げられます。
さらに、所得の低い人ほど多くの控除が受けられるように、段階的な加算制度が導入されます。
🎯 所得が655万円以下の人の基礎控除(加算あり)
所得金額 | 基礎控除額(2025年~) |
---|---|
132万円以下 | 95万円 |
132万円超~336万円以下 | 88万円(※令和9年以降は58万円) |
336万円超~489万円以下 | 68万円(同上) |
489万円超~655万円以下 | 63万円(同上) |
655万円超~2,350万円以下 | 58万円 |
2,350万円超~2,400万円以下 | 48万円 ※変更なし |
2,400万円超~2,450万円以下
|
32万円
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2,450万円超~2,500万円以下
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16万円
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2,500万円超
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0円(控除対象外)
|
🔍 将来的には一律58万円になる予定(令和9年分以降)。
※この加算は国内居住者のみに適用されます。
✅ 令和元年以前はどうなるの?
注意点:
令和元年(2019年)以前は、合計所得金額に関係なく一律38万円が基礎控除として適用されていました。
古い年分(平成や令和元年)の確定申告をする場合には、この旧制度に従って計算する必要があります。
✅ ポイントまとめ
- 基礎控除は、すべての納税者に自動的に適用される基本的な所得控除です
- 所得が高いほど控除額は少なくなり、2,500万円を超えると適用外になります
- 令和7年以降は控除額が最大95万円に拡大(低所得者向け)
- 令和9年以降は一律58万円へ移行する予定です
- 令和元年以前は38万円だったため、旧年分の申告では注意が必要です
✅ 計算ツールはこちらから
>あなたの合計所得金額を入力すると、自動で基礎控除額を計算できます。
※数字は半角で入力お願いします。