「労災って6割しか出ないんだよね?」
もし、あなたがそう思っていたとしたら、それは“誤解”かもしれません。
私自身、職場でケガをして労災の申請をする中で、驚くほど多くの誤解や間違った知識に振り回された経験があります。
この記事では、私が実際に体験した“労災の現場”と、正しい制度の内容、そしてそこから得た学びをお伝えします。
目次
労災に遭った私を待っていたのは「6割しか出ない」という声
ケガをして休職することになったとき、私の元にはいくつかの言葉が届きました。
- 「労災は6割しか出ないんだよ」
- 「有給使えないから、その分は諦めてね」
- 「私も昔労災使ったけど6割しかもらえなかった」
それは、先輩社員や事務員の経験談をもとにしたアドバイスでした。
でも、どこか釈然としませんでした。

「あれ?調べると8割って書いてあるけど…?」
モヤモヤした私は、ネットで調べてみることにしました。
すると、労災の休業補償給付は6割+2割の合計8割が支給されると書いてあるのです。
さらに、「待期期間中は会社から6割の支払いがある」「有給の使用も可能」など、自分が聞いていた話と全く違う内容が…。
念のため、労働基準監督署に直接確認してみました。
→ 結果は「ネットの情報通り。8割支給が原則で、有給もOKです」とのこと。
実際の対応と驚きの結果「まさかの10割支給」
社内の調整ややり取りは何度も続きました。
最終的には、ある上司のはからいで、**8割ではなく“10割支給”**という対応をしてもらえることに。
会社側が「足りない2割を独自に負担する」ことで、満額支給となったのです。
本当にありがたく、感謝の気持ちでいっぱいでした。
ただし――
この対応に至るまでには、4人とのやり取りと1週間以上の時間がかかりました。

なぜ、こんなに誤解が多いのか?
- 「私は6割しかもらえなかった」→ 過去の古い制度だった可能性
- 「事務員が言っていたから間違いない」→ そもそも制度を詳しく知らない場合もある
- 「みんなそう言ってる」→ 口伝えだけでは正確な知識は広まりません
これらはすべて、**「制度を学ぶ機会がないこと」「個人の経験に頼りすぎていること」**が原因だと感じました。
私がこの経験から学んだこと
① 「長年勤めている=制度に詳しい」とは限らない
勤続年数と制度知識は別問題。信頼と正確さは別軸で考えるべき。
② 制度は変化する。常に最新情報が必要
過去の経験が正しかったとしても、今は違うこともある。
③ 自分の身は、自分で守るしかない
「調べること」「相談すること」を面倒がらずにやることが、損をしない第一歩。
おわりに|正しい制度の理解が“安心して働ける”をつくる
「労災って6割しか出ないんだよね?」
この一言の裏には、曖昧な情報・経験談・思い込みが積み重なっていることがあります。
でも、それが本当に正しいかどうかは――
自分で調べて、確認して、理解するしかありません。
正しい知識を持てば、会社や制度をもっと活用できるようになります。
そして、あなたの安心と安全を守ることにつながるはずです。