どうして選挙に行くべき?「1票」がもたらす意味と変化

 「選挙って面倒くさい」「誰に入れても変わらない」「政治のことはよくわからない」。
そんな理由で、投票所から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか?
ですが、私たち一人ひとりの「1票」には、思っている以上に大きな意味があります。
この記事では、選挙の意義や、投票に行かないことでどんな影響があるのかを、わかりやすく解説していきます。

「選挙=政治家を選ぶだけ」ではありません。
実は、「自分の暮らしのルール」を誰に任せるかを決める大切な機会なのです。

🔹 社会のルールを決める人を選ぶのが選挙

私たちの生活に関わるあらゆるルール――
消費税、教育費、年金、医療制度、最低賃金…すべては政治家たちが決めています。

つまり、「選挙に行く」ということは、
自分の生活に関わるルール作りを、誰に任せるかを決める行動なのです。

🔹 「どうせ変わらない」は本当?

「たった1票で何が変わるの?」と思ってしまいがちですが、
実際には、数百票の差で当選者が決まる選挙も多くあります。

特に市区町村の首長や地方議員の選挙では、

  • 300票差
  • 100票差
  • ときには10票未満で勝敗が決まることも。

👉 あなたの1票が勝敗を左右することは十分あり得るのです。

🔹 「投票しない」は、意思を放棄すること

選挙に行かないということは、
「誰が決めても構いません」「誰が代表になっても文句は言いません」
という意思表示と同じです。

👉 投票は義務ではないけれど、
「誰かに任せる」ではなく「自分で選ぶ」ことに意味があるのです。

投票率が下がると、実は「投票に行かなかった人ほど不利益を受ける」傾向があります。

🔹 高齢者層ばかりが得をする構造に

投票率が高いのは、圧倒的に60代以上の高齢者層です。
一方、10代~30代の投票率は40%前後と低水準。

するとどうなるか――

  • 政治家は「確実に票を入れてくれる人」向けに政策を打ち出す
  • 年金や医療は手厚く
  • 教育や子育て、労働環境は後回しにされやすくなる

👉 「声を上げた人だけが得をする」社会になってしまうのです。

🔹 投票しない=他人に自分の未来を決めさせること

投票しないということは、
「他の誰かが決めた未来に、自動的に従う」ということでもあります。

  • 「ブラック企業対策が進まない」
  • 「教育費が高すぎる」
  • 「子育て支援が足りない」

これらの不満を持っていても、選挙に行かなければ**「関心がない層」とみなされてしまう**のです。

政策は、「投票してくれる人」のために作られます。
だから若者が投票しなければ、若者向けの政策は“優先されにくい”のです。

🔹 政党は「投票してくれる層」に向けて政策を作る

政治家や政党は、当選しなければ何も始まりません。
だからこそ、“投票してくれる人”の意見を最優先にします。

若者の投票率が低ければ、

  • 奨学金制度の改善
  • 若者向けの雇用支援
  • 若年層への税負担の見直し

といった政策は、なかなか重視されません。

🔹 若年層の投票は「未来への投資」

投票は「いま困っている人」のためだけでなく、
「これから社会を支えていく人」のためにも使われるべきものです。

👉 若者の票が増えれば、政治はもっと未来志向に変わります。

次の後編では、

インフルエンサーや動画番組が与える新たな影響

「誰に投票すればいいか分からない」の解決法

政策比較サイトやSNSの活用法

前編では、「なぜ投票に行く必要があるのか」「投票しないことでどんな影響があるのか」について解説しました。
ここからは、「誰に投票すればいいかわからない」という悩みの解決法と、SNS時代ならではの情報収集方法について見ていきましょう。

投票はしたいけど、「候補者の名前すら知らない」「選挙公報も難しそう」――
そんなふうに感じたこと、ありませんか?でも、大丈夫です。

🔹 まずは「自分が大切にしたいテーマ」を決める

  • 教育?
  • 税金?
  • 働き方?
  • 環境問題?

「どの政党が正しいか」よりも、まずは自分の関心がどこにあるかを明確にすることが大事です。
関心ごとが見えると、候補者や政党の選び方も自然と定まってきます。

🔹 政策比較サイトを活用しよう

たとえば以下のような「政策比較ツール」があります:

サイト名概要
ボートマッチ自分の考えに近い政党・候補者を自動表示
選挙ドットコム候補者の顔・主張・SNSリンクも一覧表示
政見比較ナビ分野別に政策を比較できる

👉 特にスマホ1台で簡単に使えるので、「候補者がわからない問題」は意外とすぐに解決できます。

🔹 政見放送や公式SNSもチェック

NHKで放送される「政見放送」は、各候補者が自分の言葉で政策や想いを語る貴重な機会です。

また、最近では

  • 候補者本人のTwitterやInstagram
  • 政党のYouTubeチャンネル

などでも、政策や人柄を直接知ることができます。

👉 ポスターや名前だけで判断する時代ではありません。

情報の入口はもはやテレビだけではありません。
YouTube番組やインフルエンサーの影響で、若年層の政治参加が広がっています。

🔹 東京都知事選(2024年)でのSNS活用の影響

2024年の東京都知事選では、小池百合子氏がX(旧Twitter)やInstagram、TikTokを活用し、AI動画まで投入するSNS戦略を展開。石丸伸二氏はYouTubeを中心に発信し、若年層からの支持を集めました。SNSが選挙結果に大きく関与した代表的な事例です。

🔹 兵庫県知事選におけるパワハラ問題とSNSの動き

兵庫県の斎藤元彦知事に対するパワハラ疑惑がSNSで広まり、世論が二分されました。批判の声が高まる一方、擁護の声もSNS上で可視化され、結果として再選を果たした背景にはSNS世論の力が大きく作用したと考えられています。

🔹 政治家のYouTube活用と若年層の接点

YouTubeを通じて政治的主張を展開する政治家も増えており、SNS発信の中心となっています。従来のテレビや街頭演説とは異なり、気軽に情報を届けられる媒体として、若年層へのアプローチ手段として確立されつつあります。

🔹 「ReHacQ−リハック−」などYouTube番組で政治がもっと身近に

YouTube番組「ReHacQ−リハック−」では、政治家や専門家をゲストに招き、

  • 教育
  • 税金
  • 地方行政
    など、身近なテーマで議論しています。

固いイメージのあった政治が、“語れるもの”として身近になってきているのです。

🔹 インフルエンサーの存在感が増している

ひろゆきや成田悠輔など、政治家ではないインフルエンサーが
「この政策ってどうなの?」
「この選挙の争点はここだよ」
と発信することで、若者が政治に興味を持つきっかけとなっています。

🔹 政治家自身も“わかりやすく伝える努力”をしている

たとえば、国民民主党の玉木雄一郎代表は、
政策を図解や短文でわかりやすく説明し、SNS上でも評価を集めています。

👉 「難しそう」で終わらせず、伝える工夫をする政治家が増えてきているのも特徴です。

  • 「選挙に行く意味が分からない」は自然なこと。でも「知らないまま」ではもったいない
  • 投票は、あなたの生活・未来・声を形にする方法
  • SNSや新しいメディアを使えば、気軽に政治に触れることができる時代になっている

💬 誰に入れるか迷っても、白紙で出しても、まずは「行くこと」に意味があります。
行動した人だけが、未来を変える側に立てるのです。

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