【相続の流れを完全整理】死亡後の手続き全体像

 相続は突然始まります。しかし、全体の流れを理解していれば慌てる必要はありません。本記事では「死亡→手続き→分割→申告」までの相続の流れを、2025年時点の制度に基づきわかりやすく解説します。

結論から言うと、相続は次の4段階で進みます。

1 死亡により相続開始
2 相続人と財産の確定
3 遺産分割
4 相続税の申告・納税

この順番を理解しておくだけで、全体像が一気にクリアになります。
相続は「感情の問題」と「法律・税務の問題」が同時に進む手続きです。だからこそ、時系列で整理することが重要です。

 相続は被相続人が亡くなった瞬間に自動的に開始します。特別な手続きは不要です。
ここで重要なのは「期限が動き出す」という点です。

主な初動対応は次の通りです。

・死亡届の提出(7日以内)
・葬儀の実施
・年金や保険の手続き

この段階では税金の話よりも、生活面と公的手続きが中心になります。

次に行うのが「誰が相続人か」「財産はいくらあるのか」を確定させる作業です。

 戸籍を出生から死亡まで取り寄せ、法定相続人を確定します。
この作業を誤ると後の手続きがすべてやり直しになるため、非常に重要です。

プラスとマイナスの両方を洗い出します。

プラス財産マイナス財産
預貯金借入金
不動産住宅ローン
株式未払金
生命保険金保証債務

ここで財産の全体像が見えます。

 借金が多い場合は選択肢があります。

相続放棄や限定承認の期限は「相続開始を知った日から3か月以内」です。
この期限を過ぎると原則として単純承認になります。

 財産と相続人が確定したら、誰が何を相続するかを決めます。

方法は3つあります。

1 遺言書がある場合は原則その内容に従う
2 遺産分割協議で決める
3 調停や審判になるケース

1 財産一覧を全員で共有
2 分割案を作成
3 全員合意
4 遺産分割協議書を作成

ここで重要なのは「相続人全員の合意が必要」という点です。1人でも欠けると無効になります。

不動産の名義変更や預金解約は、分割協議書がなければ進みません。

 相続税がかかる場合は申告が必要です。

2025年時点の制度では、基礎控除は次の通りです。

基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

この控除額を超える場合、相続税の申告が必要になります。

 相続税の申告・納税期限は
「相続開始を知った日の翌日から10か月以内」です。

期限内に申告しないと加算税や延滞税の対象になります。

・原則は現金一括納付
・延納制度あり
・物納制度あり(要件厳格)

納税資金の準備は、実務上もっとも重要なポイントの一つです。

ここで全体をまとめます。

期限主な内容
7日以内死亡届
3か月以内相続放棄・限定承認
4か月以内準確定申告
10か月以内相続税申告・納税

期限管理が相続の成否を左右します。

実務で多い失敗は次の通りです。

・相続人の調査漏れ
・財産の申告漏れ
・分割がまとまらず申告期限が迫る
・納税資金不足

特に「分割が決まらないまま10か月が経過する」ケースは非常に多く、特例が使えなくなる可能性があります。

今回の記事はあくまで「流れの全体像」です。

次回以降は、

・相続人と法定相続分
・相続財産の範囲
・相続税の具体的な計算
・贈与との関係

といったテーマを、段階的に深掘りしていきます。

まずは「4ステップの構造」と「3か月・10か月」という期限を押さえておきましょう。

 相続は死亡と同時に始まり、相続人確定、財産調査、遺産分割、申告・納税という流れで進みます。重要なのは期限管理と全体把握です。全体像を理解したうえで、次は各論を一つずつ学んでいきましょう。

Q. 相続手続きは何から始めればいいですか?

A. まずは死亡届の提出と、相続人の確定作業から始めます。その後、財産調査へ進みます。

Q. 相続税は全員が払う必要がありますか?

A. 基礎控除額を超える場合のみ申告・納税が必要です。すべての相続で税金が発生するわけではありません。

Q. 相続放棄はいつまでに決める必要がありますか?

A. 相続開始を知った日から3か月以内です。期限を過ぎると原則として放棄できません。

Q. 遺産分割がまとまらない場合はどうなりますか?

A. 家庭裁判所で調停や審判に進むことになります。申告期限には注意が必要です。

Q. 相続税の申告期限は延ばせますか?

A. 原則として延長はできません。10か月以内に申告と納税を行う必要があります。

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