日本の年金制度は老後の生活を支えるための重要な公的制度ですが、「国民年金と厚生年金の違いが分からない」「自分はどちらに加入しているの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
本記事では、年金制度の仕組みをわかりやすく解説し、
- 国民年金と厚生年金の違い
- 加入条件・保険料・受給額の比較
- 将来年金を受け取る手続きや注意点
など、初心者の方にも理解しやすくまとめています。将来に備える第一歩として、ぜひご活用ください。
目次
日本の年金制度の全体像
日本の年金制度は2階建て構造になっています。
- 1階部分:国民年金(基礎年金)
日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が対象。自営業・学生・無職の方などが個別に加入します。 - 2階部分:厚生年金
会社員や公務員などが加入。国民年金に上乗せする形で、報酬に応じた年金額を将来受け取れます。
国民年金とは?
対象者
- 自営業、フリーランス、学生、無職の人(第1号被保険者)
- 厚生年金加入者の配偶者(第3号被保険者)
保険料(2025年度)
- 月額16,980円(定額)
- 所得に関係なく、全国一律の金額
受給額(満額)
- 年間約78万円(月6.5万円程度)
受給資格
- 保険料を10年以上納付していることが条件
- 未納期間があると減額または無年金になることも
厚生年金とは?
対象者
- 会社員、公務員(第2号被保険者)
- パートやアルバイトでも、週20時間以上かつ一定収入があれば加入対象
保険料
- 報酬比例で、18.3%(労使折半:会社が半分負担)
受給額
- 加入年数や月収により変動
- 平均受給額は月額約14.5万円(令和5年時点)
受給資格
- 1ヶ月以上の加入で受給権発生(国民年金部分と合算して受給)
国民年金と厚生年金の違いまとめ
項目 | 国民年金 | 厚生年金 |
---|---|---|
対象 | 自営業・学生・無職など | 会社員・公務員など |
保険料 | 一律(約16,980円) | 報酬比例(18.3%、労使折半) |
給付額 | 一律(満額:約月6.5万円) | 報酬・加入年数により変動(平均月14.5万円) |
加入期間 | 10年以上で受給資格 | 最低1ヶ月で受給対象に加算 |
加入区分 | 第1号/第3号 | 第2号被保険者 |
将来の年金の受け取り方
受給開始時期
- 原則65歳から
- 早める(繰上げ受給)と最大30%減額
- 遅らせる(繰下げ受給)と最大42%増額
手続き方法
- 誕生月の3ヶ月前に「年金請求書」が郵送される
- 日本年金機構の窓口またはオンラインで申請可能
- 通帳やマイナンバーカードなどが必要
年金を増やすための工夫
- 付加年金(+月400円で受給増)
- 国民年金基金の活用
- iDeCo(個人型確定拠出年金)との併用
- 繰下げ受給で増額支給を狙う
よくある質問(FAQ)
Q1:自営業から会社員になった場合、年金はどうなりますか?
A:厚生年金に自動的に切り替わります。将来は「国民年金+厚生年金」の両方を合算して受給できます。
Q2:厚生年金の受給額はどうやって計算されるの?
A:標準報酬月額・加入期間を元に計算され、日本年金機構のシミュレーターで概算が可能です。
Q3:年金を受け取るにはどこで申請すればいい?
A:65歳の誕生月3ヶ月前に届く案内を元に、日本年金機構またはマイナポータルで申請します。
まとめ|年金の違いを知って、将来の備えをしよう
年金制度を正しく理解することは、将来の生活設計において非常に大切です。
- 国民年金は「最低限の老後資金」
- 厚生年金は「報酬に応じた上乗せ」
- 両者の違いや仕組みを把握し、**将来に向けた対策(iDeCo・繰下げ受給)**も視野に入れましょう。
正しい知識と準備が、安心した老後につながります。