【株式投資】初心者講座<上級編>高度な分析と実践知識で投資の総仕上げを!

 初心者講座もいよいよ最終段階です。上級編では、株式の選び方や売買方法、分析手法を深掘りし、実践的な投資スキルを学びます。特に、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を活用して企業を評価する方法や、株式取引の流れ、そして税金の基礎知識についても解説します。

 株式投資を成功させるには、企業の「内面」を評価するファンダメンタルズ分析と、価格の動きを読むテクニカル分析の両方を使いこなすことが重要です。

ファンダメンタルズ分析:企業の本質を数字で見る

 ファンダメンタルズ分析は、財務状況や業績を基に企業の実力を評価します。以下の主要指標を理解し、株価が適正かどうかを判断します。

PER(株価収益率:Price Earnings Ratio, プライスイーニングスレイシオ)

  • 計算式:株価 ÷ 1株あたりの利益(EPS)
  • 意味:企業が稼ぐ利益に対して、投資家が何倍の価格を支払っているかを示します。
  • :ある企業の株価が2,000円、EPSが200円の場合、PERは10倍となります。
    • 解釈:PERが10倍の場合、投資家は1円の利益を得るために10円を払っていることになります。この値が低いほど、利益に対して株価が割安と考えられます。ただし、成長企業ではPERが高くても将来の利益成長を織り込んでいる場合があります。

PBR(株価純資産倍率:Price Book-Value Ratio, プライスブックバリューレイシオ)

  • 計算式:株価 ÷ 1株あたりの純資産(BPS)
  • 意味:企業の純資産(解散価値)に対して株価が何倍の評価を受けているかを示します。
  • :ある企業の株価が1,500円、BPSが1,000円の場合、PBRは1.5倍となります。
    • 解釈:PBRが1倍以下の場合、株価が純資産を下回っているため、割安とされる場合があります。ただし、業績不振で解散リスクが高い企業では、PBRが低くても注意が必要です。

ROE(自己資本利益率:Return on Equity, リターンオンエクイティ)

  • 計算式:当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)
  • 意味:企業が自己資本を使ってどれだけ効率的に利益を上げたかを示します。
  • :当期純利益が1億円、自己資本が5億円の場合、ROEは20%となります。
    • 解釈:ROEが高い企業は、資本効率が良く、成長性が高いとされます。ただし、高ROEでも借入金に依存している場合は注意が必要です。

テクニカル分析:売買タイミングを読む

ローソク足の見方
 株価チャートの基本となる「ローソク足」は、株価の変動を視覚的に表したものです。

  • 構成要素
    • 実体:始値と終値の差を表す部分。
    • ヒゲ:高値と安値を示す線。
  • 色の意味
    • 陽線(白や緑):終値が始値より高い → 上昇を意味。
    • 陰線(黒や赤):終値が始値より低い → 下落を意味。

移動平均線
 移動平均線は、一定期間の株価の平均値を線で示します。

  • 短期移動平均線(5日、10日):短期的なトレンドを確認。
  • 長期移動平均線(50日、200日):長期的なトレンドを把握。

まずは興味のある分野や有名企業の株を選ぶ

 株式投資を始める際には、自分が興味のある分野や好きな企業の株を買ってみるのも良い選択です。興味のある業界や企業であれば自然とニュースや情報に触れる機会が増え、その分だけ分析に入り込みやすくなります。例えば、スポーツが好きな人ならスポーツ用品メーカー、テクノロジーに興味があるならIT企業、さらには日常的に利用するサービスを提供する企業など、自分との接点がある企業を選ぶと親しみが湧き、分析のモチベーションも高まります。

    • 好きなゲームを開発している会社の株を購入し、業界全体の動向を追う。
    • よく利用するECサイトを運営する企業の株を購入し、その成長性をチェックする。

こうした選択肢は、初心者が株式投資の楽しさを感じるとともに、実践的な学びを得る良いステップとなります。

売買注文の種類:指値、逆指値、成行の使い分け

 株式の売買注文には、大きく分けて成行注文指値注文逆指値注文の3種類があります。これらは、注文が市場でどのように処理されるかに大きな違いがあります。

成行注文

 成行注文とは、現在の市場価格で即時に売買を行う注文方法です。価格の指定をせず、市場に出された他の注文と最優先でマッチングされるため、スピードが重要な場合に使われます。


  • 現在の株価が1,000円の場合、成行注文を出すと、その時点で市場にある注文と即座にマッチングされ、取引が成立します。
    例えば、成行買い注文の場合、売り注文の価格が1,000円、1,010円、1,020円と並んでいれば、最も安い価格(1,000円)で即座に取引が成立します。逆に、成行売り注文の場合は、最も高い買い注文の価格と取引が成立します。

成行注文が優先される理由
 市場で取引を成立させる際、価格を指定しない成行注文は、価格条件のない「無条件注文」として最も優先的に処理されます。そのため、指値注文や逆指値注文よりも先に取引が成立する可能性が高いです。

メリット

  • 即時に売買が成立するため、スピードが重視される状況で有効。
  • 急な株価変動時に素早く対応できる。

デメリット

  • 市場の流動性が低い場合、予想外の価格で取引が成立するリスクがある(例:成行買いが高値で成立、成行売りが安値で成立)。

(2) 指値注文

指値注文とは、自分が希望する価格を指定して売買を行う注文方法です。指定した価格に株価が達した場合にのみ取引が成立します。


  • 現在の株価が1,000円の場合、
    • 「900円で買いたい」と指値注文を設定。株価が900円以下になったときに注文が成立します。
    • 逆に、「1,100円で売りたい」と設定すれば、株価が1,100円以上に上がったときに取引が成立します。

注意点:指値注文は成行注文よりも優先順位が低く、市場の状況によっては、注文が成立しない場合があります。

メリット

  • 自分が納得できる価格で売買できる。
  • 価格変動のリスクを抑えやすい。

デメリット

  • 株価が指定した価格に達しないと取引が成立しない。

逆指値注文

 逆指値注文は、株価が指定した条件に達したときに、成行注文または指値注文を自動で出す仕組みです。損失を限定したり、利益を確保するために活用されます。

  • 例(損切りとしての利用)
    株価が1,000円の場合、「株価が950円以下になったら成行で売る」と逆指値注文を設定。これにより、株価が急落した際の損失を最小限に抑えられます。
  • 例(利益確定としての利用)
    株価が1,000円の場合、「1,050円以上になったら売却」と逆指値注文を設定すれば、株価が上昇しても利益を確定できます。

株取引のスタイル

 株式投資では、ただ株を「買って保有する」だけではなく、目的やライフスタイルに合わせたさまざまなトレード手法があります。例えば、「短期間で利益を狙う方法」や「中長期的に資産を増やす方法」など、それぞれ特徴やメリットが異なります。初心者の方にとっては、自分に合ったスタイルを見つけることが投資を楽しむ第一歩となります。ここでは、代表的なトレード手法であるスイングトレードデイトレードスキャルピングについて簡単にご紹介します。

スイングトレード(初心者向け)

期間:数日から数週間
概要:中期的な価格変動を狙った取引スタイルです。トレンドを見極めて、上昇または下降が続く期間に利益を得ることを目的とします。

特徴

  • 比較的ゆっくりとした価格変動を利用。
  • サラリーマンや忙しい人にも向いている。
  • 基本的に日中に頻繁に取引する必要はない。

デイトレード

期間:1日の中で完結
概要:株を買ったその日のうちに売却し、日々の価格変動で利益を狙うスタイルです。ポジションを翌日に持ち越さないのが特徴です。

特徴

  • 即時性が求められるため、迅速な判断力が必要。
  • 高いリスクとリターンのバランスがある。
  • 常に価格変動を監視できる環境が必要。

スキャルピング

期間:数秒から数分
概要:超短期取引で、1回の売買ごとに小さな利益を狙うスタイルです。1日の中で数十回から数百回の取引を行うこともあります。
特徴

  • 小さな価格変動を素早くキャッチして取引。
  • 高度な集中力と経験が必要。
  • 手数料やスプレッドが利益に影響しやすい。

 株式投資の利益には以下の税金がかかります。

  • 配当所得:配当金に対して20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)。
  • 譲渡所得:株式売買の差益に対して20.315%。
  • 申告分離課税:確定申告をすることで損益通算や損失繰越が可能。
    NISAを活用する場合:非課税枠内での利益は課税されません。

↓↓↓詳細はこちらで解説しています。↓↓↓

6. まとめ

 ここまでの初心者講座が理解できているか復習テスト記事を作成します。実践力を高める機会として活用してください。

上部へスクロール