日経平均【バブル最高値超え】

 2024年2月22日、日経平均株価が終値3万9098円を超え、34年ぶりに史上最高値を更新しました(バブル期の最高値は3万8915円87銭)。この日経平均の上昇は今後1年ほど続くと予想されています。

多くの市場分析家は、日経平均株価について楽観的な見方を示しており、その背景には以下のような要因が挙げられます:

  • 新NISAの導入による個人投資家の参入増加
  • 円安による輸出企業の業績向上
  • 世界経済の回復傾向
  • 日本政府と日本銀行の経済政策による市場安定と投資家の信頼感の向上

ただし、こうした予測は地政学的リスクや世界経済の不確実性といった要因により変動する可能性があるため、慎重な姿勢も必要です。

日経平均株価が史上最高値を更新する直接的なトリガーとなったのは、米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)の好調な決算発表でした。この結果はグローバル市場全体にポジティブなムードをもたらし、投資家のリスク選好を高める要因となりました。

NVIDIAの決算好調は、経済回復の兆しとして受け取られ、それが株価上昇に寄与したという見方が一般的です。

ただし、日本にとって本当に喜ばしいことなのか、という疑問の声もあります。株価の上昇が必ずしも日本企業の実力向上を意味するとは限らないからです。
その理由について、まずは下記の表をご覧ください。

世界時価総額ランキングTOP10(1989年)

順位企業名時価総額
(億ドル)
NTT日本1,639
日本興業銀行日本716
住友銀行日本696
富士銀行日本671
第一勧業銀行日本661
IBMアメリカ647
三菱銀行日本593
エクソンアメリカ549
東京電力日本545
10ロイヤルダッチシェルイギリス544
Funalysis引用

世界時価総額ランキングTOP10(2024年)

順位企業名時価総額 (億ドル)
1マイクロソフトアメリカ30,140
2Appleアメリカ28,980
3サウジアラムコサウジアラビア19,910
4アルファベット(Google)アメリカ17,930
5アマゾンアメリカ17,690
6NVIDIAアメリカ17,120
7メタ (Facebook)アメリカ11,710
8バークシャー・ハサウェイアメリカ8,480
9イーライリリーアンドカンパニーアメリカ6,700
10TSMC中華民国6,160
※Wikipedia「時価総額」ページから参照 ※2024年2月6日時点

 現在の世界時価総額ランキングのTOP10には日本企業は1社も入っておらず、日本企業の最上位はトヨタ自動車で37位(時価総額2738億ドル)です。これは、日経平均株価が上昇しても、その主因が日本企業の業績ではなく、外部要因(海外企業の好決算など)であることを示唆しています。

この状況を改善するために、日本企業には以下のような取り組みが求められます:

  • イノベーションの加速
  • デジタルトランスフォーメーションの推進
  • グローバル競争力の強化
  • ガバナンスの改善と経営の透明性向上

これらを進めることで、国際的な投資家からの信頼を得て、企業の時価総額を引き上げることが可能になるでしょう。

楽観的な見方がある一方で、以下のようなリスクには引き続き注意が必要です:

  • 世界経済の動向
  • 地政学的リスク
  • 新型コロナウイルスの影響
  • 市場の過熱や投資詐欺

特に、景気回復期には投資意欲が高まる一方で、詐欺的な投資話も増える傾向にあります。投資家には、甘い言葉に惑わされず冷静な判断が求められます。

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