日本の政党を紹介|思想・特徴・立ち位置がわかる一覧解説

 主要政党を比較して、自分に合う考え方を見つけましょう。
「選挙に行けと言われても、どの政党がどんな主張をしているのかよく分からない」そんな疑問を持ったことはありませんか?
この記事では、日本の主要な政党について、思想や政策の違い・支持層の傾向をわかりやすく紹介します。
まずは、名前を聞いたことのある政党から、ざっくり理解していきましょう。

  • 基本的な立場:保守本流・現実路線・安定重視
  • 主な政策傾向:経済成長、外交安全保障の強化、規制緩和
  • 支持層:中高年層、地方・農業関係者、企業関係者など

戦後日本の与党を長く担い、現在も政権与党。
憲法改正や防衛力強化に前向きで、伝統的な価値観を重視する一方、現実路線で柔軟に政策調整を行うことが多いのが特徴です。

  • 基本的な立場:リベラル・人権重視・社会的弱者への支援
  • 主な政策傾向:格差是正、ジェンダー平等、非正規雇用対策
  • 支持層:都市部の中間層、教職員、公務員、労働組合関係者など

自民党の「対抗軸」としての立場を明確にし、個人の権利や憲法擁護を重視。
「反自民色」が強く、批判型の野党と見なされることもありますが、近年は具体的な対案の提示にも力を入れています。

  • 基本的な立場:中道路線・現実主義・政策協調型
  • 主な政策傾向:分配と成長の両立、ガソリン税軽減、労働者保護
  • 支持層:民間労組、地方都市の中堅層、バランス志向の有権者

立憲民主党と維新の会の間に位置する「中道」の立ち位置で、柔軟な政策提案を行う。
時に与党と協力姿勢を取ることもあり、「是々非々」で動く野党の代表格です。

  • 基本的な立場:改革重視・新自由主義的・地方分権
  • 主な政策傾向:身を切る改革、教育無償化、憲法改正推進
  • 支持層:若年層、都市部の自営業層、改革志向の無党派層

大阪を拠点とした政党で、「既存政治の打破」を掲げて急成長。
保守的な政策もあれば、規制緩和など経済的自由主義も強く、右とも左とも言いにくい“実利重視”の立場が特徴です。

  • 基本的な立場:中道・平和主義・福祉重視
  • 主な政策傾向:軽減税率、教育・子育て支援、生活者目線の政策
  • 支持層:創価学会の支持母体、高齢層、生活支援重視層

自民党と連立を組む与党の一角。
宗教団体(創価学会)との関係が注目されることもありますが、現実には“生活者目線”の政策を細かく実現する「調整型」の役割を果たしています。

  • 基本的な立場:反資本主義・護憲主義・反戦平和
  • 主な政策傾向:消費税廃止、最低賃金引き上げ、大企業課税強化
  • 支持層:固定支持層あり、若者の一部に人気、左派知識人

議会内で唯一「共産主義的思想」を掲げる政党。
政権参加には消極的ながら、野党連携や提案型姿勢を強めている。憲法改正や自衛隊には反対の立場を取り続けており、思想的には最も“左”に近い位置づけ。

🔸 れいわ新選組

  • 弱者支援・反緊縮経済・障がい者の代表進出を重視
  • 「消費税廃止」や積極財政が大きな訴求点

🔸 参政党

  • 教育・歴史観・食の安全など、右派的価値観を前面に
  • 新興勢力としてSNSを活用し支持拡大中

🔸 NHK党(旧:政治家女子48党など)

  • 政治への注目喚起・選挙システムへの問題提起が主目的
  • 特定の政策より「改革姿勢」や戦術的行動が話題に
政党名思想的立場主な政策方向性備考
自民党保守経済成長・現実主義与党・長期政権
立憲民主党リベラル人権・格差是正野党第一党
国民民主党中道分配・協調型是々非々
維新の会改革派自由・効率重視地方発
公明党中道福祉教育・軽減税率創価学会との関係
共産党左派社会主義・反改憲固定支持層強い
その他多様ポピュリズム・運動型SNS活用や若者支持あり

✅ 【ここから後編へ】
ここまでで、日本の代表的な政党がどんな考えを持ち、どんな違いがあるかをざっくり把握できたかと思います。
では、そもそも「政党」とは、「保守・リベラルとはどういうこと?」「与党・野党ってどう違うの?」
次の後編では、政党を支える仕組みや分類の背景を、やさしく解説していきます。

🔸 政党とは?

政党とは、共通の政治的な理念や政策を持ち、国政に関与することを目的とした団体です。
目的は主に「選挙に候補者を立て、議会で政権を担うこと」です。

🔸 「政党」と「政治団体」の違い(法的定義)

日本では、公職選挙法により以下のように定義されています。

分類 条件(簡略化)
政党 所属国会議員5人以上、または直近の国政選挙で得票率2%以上 自民・立憲・維新など
政治団体 上記を満たさない団体 地方政党、新興団体など

政党になると、政党助成金(税金)を受け取ることができ、メディア露出や政治活動の自由度も高まるという利点があります。

🔹 与党とは?

  • 現在、政権(内閣)を担っている政党
  • 総理大臣を出している政党または連立政権に参加している政党

現在は「自民党+公明党」が与党です。

🔹 野党とは?

  • 与党以外の政党
  • 政権を監視し、対案を出したり批判をしたりする役割

野党にも様々なスタンスがあり、

  • 「反対一辺倒」の批判型
  • 「是々非々」の協調型
    と性格はバラつきがあります。

🔸 用語の混乱を整理

よく耳にする「保守」「リベラル」という言葉、実はかなりあいまいに使われがちです。
本来の意味を整理すると以下のようになります。

分類本来の意味
保守今の体制・秩序・伝統を維持しようとする立場
リベラル個人の自由・平等・多様性を重視し、社会改革を志向

🔸 日本における分類の特徴

日本の政治では、次のような政策で「保守/リベラル」の違いが見えやすくなります。

分野保守の傾向リベラルの傾向
憲法・防衛改憲推進・防衛強化憲法擁護・非武装主義
経済政策自由競争・企業重視分配重視・社会保障強化
税制消費税容認・減税に慎重消費税廃止や高所得者課税に積極的
社会制度家族重視・伝統的価値観ジェンダー平等・LGBTQ理解促進など

🔸 混合している政党も多い

実際には、

  • 「経済的には保守」「社会的にはリベラル」
  • 「外交はタカ派、国内は福祉重視」など、
    ひとつの政党が完全に“右”か“左”かで割り切れるわけではありません。

“正解”はなくていい。大切なのは、自分で考えること

「どこに投票したらいいかわからない」
「全部分かってないと投票しちゃいけない気がする」
そんなふうに迷っている方も多いかもしれません。

でも、政治に“完璧な正解”はありません。
大切なのは、「自分にとって納得できる選択」をすることです。
そのためのポイントを3つ紹介します。

「教育」「子育て」「防衛」「物価」「働き方」など、
あなたが今、一番気になることに絞って、各政党の考えを調べてみましょう。

全部の政策を網羅する必要はありません。
1つのテーマに集中すれば、政党ごとの考え方の違いが自然と見えてきます。

ニュースやSNSでは、一部の発言だけが切り取られて紹介されがちです。
でも、政党の本当の主張は、公式サイトや選挙公報にしっかり書かれています。

「自分で読む」のは面倒に思えるかもしれませんが、
それだけで、情報の受け取り方がぐっと変わります。

「この政党のここは好きだけど、こっちはちょっと…」
そう思うのは当然です。
すべてに納得できる政党を見つけるのは、ほぼ不可能です。

でも大丈夫。
私たちは、自分の価値観に一番近いところから選べばいい。
誰かに決められるのではなく、自分で考えて選ぶ自由が、選挙にはあるのです。

  • 政党の違いは、名前ではなく**「何を重視しているか」**で見分けるのがポイント
  • 保守/リベラルという言葉も、背景を知ると本質が理解できる
  • 与党と野党の役割を知れば、「批判してばかり」に見える政党にも意味があることがわかる

選挙のたびに何となく選ぶのではなく、
自分の考えに近い政党を選ぶことが、暮らしを変える第一歩になるかもしれません。

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